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夜になって周囲が静

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夜になって周囲が静


季節は止まっていた。長屋風の借家の裏には田んぼが広がっていた。太陽の陽射しは強く、空はまぶしいほど明るかった。蛙がにぎやかに鳴 迪士尼美語 好唔好き、トンボや虫が飛びかっていた。
この風景と環境に浸りたくて、大阪に来たのではなかったか。昼間はその期待を思い出して、すこしだけ気持ちが明かるくなる。だが夜になると、ふたたび暗い淵に沈んでしまう。
近くに操車場があった。夜になって周囲が静かになると、貨物列車を連結する音や、悲鳴のような汽笛の音がいちだんと高くなる。どこへも行けず、闇の中で淀んでいる音だった。大きくて重たい夜そのものが、動けずに身悶えているようだった 。

ただひとつの曲が流れつづける。
夜明けの足踏みだろう寰宇家庭か……、どこか遠くで、朝は明けようとしているのだろうか。ぼくの長い夜の向こうには、暗いざわめきしかなかった。それも繰りかえし流れてくる、歌のざわめきにすぎなかった。
愛し合うその時に 世界は止まるの……
歌は、意味のない言葉のあとを、意味のある言葉が追いかけた。世界は止まるの、という言葉ばかりが夢の中まで追いかけてくる。そのたびに、ぼくの世界はいくども止まる。

時のない世界に……、どれくらいいたのだろうか。
夜明け……、それはゆっくりとやってくる。見えなかったものが見えるようになる。音の無かったところに音が生まれてくる。意味のない言葉が意味のある言葉にかわってくる。近づいてくる言葉にすこしずつ慣れる。離れていく言葉にもすこしずつ慣れる。長い時間をかけて、歌はフェイドアウトしていく。
いまでも大阪弁はうまく使えない。けれども美しい大阪弁はわかる。汚い大阪弁もわかる。あまり意味のない言葉もわかる。ただ快く聞き流してしまう言葉もある。流れているのか淀んでいるのか、この街の曖昧な感覚にもなじんだ。い迪士尼美語 世界までは、ぼくのすべてはこの街から発信され、この街に戻ってくる。
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